子宮筋腫の治療法のひとつに「漢方療法」があります。漢方薬には、生薬を煮出して飲むタイプの「煎じ薬」と顆粒状の「エキス製剤」の2種類あります。
わたしは両方のタイプを試しましたが、どちらも長く続けることができませんでした。
漢方薬が続かなかった理由
- ぐつぐつ煮出すのが面倒(煎じ薬)
- 不味すぎて飲み込めない(煎じ薬)
- 保険適用でないため値段が高い(煎じ薬)
- 副作用で下痢が続いた(エキス製剤)
というわけで、煎じ薬もエキス剤もそれぞれ1~2カ月ほどで飲むのを止めてしまいました。なので…漢方の効果は語れませんが、東洋医学の考え方はしっくりくるので取り入れてます。
西洋医学(いわゆる現代医療)は、手術や薬で具合の悪いところだけを取り除くという局所療法です。
子宮筋腫なら「手術で筋腫を取る」とか「子宮ごと取ってしまう」とか「薬で生理を止めてしまう」といった対処的な治療のこと。
一方、東洋医学はその病気だけにスポットを当てずに、身体全体のバランスを重視する治療法 のことです。
人間がもともと備えている自然治癒力を活かすことがベースにあって、漢方薬は人工的に作られたものでなく、自然界にあるものを使用しています。
漢方で子宮筋腫を小さくできるというより、漢方は体質改善するサポート的なもの。
飲み続けることで免疫力がアップし、その結果、子宮筋腫を小さくする効果があるものです。
子宮筋腫で漢方薬を試してみたい方、漢方って実際のところどうなの?と思っている方の参考にしていただけたら幸いです。
目 次
東洋医学から見た子宮筋腫の原因
東洋医学では、長期にわたって子宮内の血の流れが滞ることで、老廃物が子宮に溜まり、それが子宮筋腫の原因になると考えられています。
「血の流れが滞る」瘀血(おけつ)と、ストレスが原因で体内の気の流れが悪くなる気滞(きたい)も、子宮筋腫の原因だといわれていて、
東洋医学では 子宮筋腫は瘀血と気滞の両方を改善すること が必要だと考えられています。
お血を改善する方法については「子宮筋腫の原因とされている瘀血(おけつ)体質:ドロドロ血を治すには」で詳しく書いているので、よかったら参考になさってくださいね。
子宮筋腫は東洋医学と西洋医学のコラボで治す
漢方薬だけで子宮筋腫を小さくするのは難しく、筋腫の成長を抑えたり、筋腫ができにくい体質に改善するために漢方が使われることが多いようです。
また筋腫核出術(筋腫だけを取り除く手術)の後に、漢方薬で再発を予防するといった西洋医学と東洋医学を組み合わせた治療も行われています。
33才のとき不妊治療をしていたわたしは、早く筋腫を小さくして妊娠したかったので、効果が現れるのに時間がかかる漢方薬を最初に試すことはしませんでした。
まずは筋腫核出術で筋腫をきれいに取り除き、そのあと子宮筋腫の再発予防のために漢方薬を試すことにしたのです。
漢方の診断方法
漢方の診断がおもしろいと思ったのは、舌診(ぜっしん)という舌の状態を診ることです。舌の色・潤い・形・厚み・コケの状態などを診ます。
舌の状態を診るだけでその人の胃腸の状態やストレス度合いなど、様々なことがわかるようです(わたしもズバリ当たってました)。
そのほかに、普段の食事や生活習慣のこと、仕事のこと、生理のこと、今までにかかった病気のことなど、じっくりカウンセリングしていただいたことが印象的でした。
婦人科は「筋腫だけを診る」診察に対して、漢方の診察は「そのひと全体という人間を診る」というところが大きく違うなって思いました。
なので漢方の診察は5分で終わりなんてことはありません。時間をかけて診察が行われます。
漢方薬の「煎じ薬」と「エキス剤」の違い
「煎じ薬」は、生薬を煮出して飲む漢方薬のことです。生薬がブレンドされた袋を麦茶パックの要領で鍋などに入れて、ぐつぐつ煮出してその汁を飲みます。
「エキス製剤」は、顆粒状の漢方薬のことです。
コーヒーで例えるなら、煎じ薬は豆から挽いて作るコーヒーで、エキス製剤はインスタントコーヒーくらいの違いがあるといわれています。
煎じ薬とエキス製剤のメリットデメリット
煎じ薬
メリット:細かく生薬を配合してもらえるので(オーダーメイドの配合なので)、エキス剤よりも高い効果が期待できることがあります。
デメリット:保険がきかないので薬代が高く(わたしの場合は1カ月で2万円くらいでした)、煮出すのに約1時間かかるのがとにかく面倒でした。
煮出している間、火を付けっぱなしにするので目が離せません。それがあまりにも大変だったので、電気の煎じ器を買ってしまったほどです。
ガラスの容器に生薬と水を入れてセットしたら、自動的に煎じてくれるのが電気の煎じ器です。鍋でぐつぐつ煎じる場合は、火のそばから離れられなかったのですが、こちらは出来上がったら音で知らせてくれるので楽ちんです。
煎じ薬の感想:煎じ薬をぐつぐつ煮出していると、ものすごーい漢方臭が家中に充満します。これが家族に「くさいっ!」と大ブーイングでした。
そんな肩身せまい感じで抽出したカレー色の液体(煎汁)は、酸っぱ苦くて激マズ。。。喉を通らない!良薬口に苦しとは言うけれど、これマズすぎだよねって思いました。
残りはペットボトルに入れて仕事場に持っていくのですが、飲まずに捨ててしまうことがほとんどでした。もったいないけど無理、飲めなかった。
漢方の先生には「二番煎じも飲んでください」と言われたのですが、一番煎じですら飲みきれないのに無理な話でした。ということで、続けることができず飲むのを止めてしまったのです。
エキス製剤
メリット:顆粒なので手軽に飲めます。漢方薬局ではなく、医師の処方だと保険適用してもらえるのでコストを抑えられます。
デメリット:配合が決まっているので、オーダーメイドの煎じ薬よりも効果が低いことがあります。
エキス製剤の感想:煎じ薬の手間に比べたらエキス製剤の手軽さは神だと思いました。不味くて飲めないなんてこともありません。
わたしが処方されたのは、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)と他2種類でした。しばらく飲んでいたのですが、そのうち副作用で下痢が続くようになってしまい漢方薬は一旦中断。で、そのまま飲まなくなってしまいました。
おわりに:漢方は体質改善をサポートするもの
というわけで、わたしは漢方薬で筋腫を改善することは早々に断念しました。
しかし漢方薬に頼らなくても、食事や生活習慣で子宮筋腫を改善することや予防することもできます。
あくまでも「漢方薬は筋腫ができてしまう体質を改善するもの」で筋腫を小さくする薬ではありません。
大切なのは、それまでの食事・生活習慣・ストレスを改めることです。
参考までに煎じ薬を処方していただいたのは、横浜の日吉にある金龍堂薬局という漢方薬局です。
わたしは煎じ薬を続けられませんでしたが、筋腫持ちの友人にこちらの漢方薬局を紹介したところ、美味しく飲めているとのこと。
副作用もなく、お茶のようにごくごく飲めているみたいです(電気の煎じ器は彼女にあげました)。
その後、友人は妊娠して出産、なんと43才でママになりました。漢方だけでなく、食事や生活を整えたり、温活したりいろいろ努力していたようです。
そうやって体質改善していけば、子宮筋腫があって40代でも妊娠 → 無事に出産できるんだなって思いました。
漢方以外の子宮筋腫の治療法については、こちらの記事で詳しく書いています。よかったら読んでみてください。
悠木芽依様
初めまして山根美紀と申します。
(悠木さんとは同い年になると思います。)
私も子宮筋腫持ちで、7センチ近くと2種類の筋腫があり、
どの病院でも、子供を産まないなら、一層子宮も卵巣も全摘出で取る手術を進めると言われ来ました。
手術をしないで、子宮筋腫の改善方法はないのか?と
ネットで
色々調べてる時に悠木さんのサイトに出会いました。
子宮筋腫持ちの私には、どの内容もすべて為になり、有難いです。
子宮筋腫の新薬が後2-3年後に発売されるそうなので、それまでの2-3年子宮筋腫が大きく成長しないように、悠木さんの書かれた内容を参考に実践したいと思います。
どうしても、お礼が言いたくてメールしました。
H30/7/3山根美紀
びょんた7さま
コメントありがとうございます。
そうですよね…40過ぎると当然のように全摘を勧められますよね。
子供を産む予定はなくても臓器を取る子宮を取るということが抵抗あるのに
そこら辺はわかってもらえないのが残念すぎます。
子宮筋腫の新薬があと数年で発売されるんですか!
それは期待したいです。
子宮筋腫は体質改善をしていくことで大きくならないので
ぜひブログを参考にしていただけたら嬉しいです。
yuukimay